命術の代表格である四柱推命の特筆すべき技法の一つに「大運」と呼ばれる、30年周期の運気の流れを読む技法がある。
これは人生の大きな流れの中で、いつ大きな人生の変化が起こるのかを推測する技術であり、平たく言えば、四柱推命とは「変化の時期を予測する」ための占術とも言える。
ただし、ここで注意しておくべきことは、四柱推命を用いて人生の大変化の時期を予測することが出来たとしても、その変化がその後の人生に及ぼす「吉凶」、良し悪しを判定することは出来ないということである。
つまり、大きな変化が起こる時期を予測することは出来るが、その変化の「吉凶」は不確定で分からないということである。
正確には吉凶が判定できないというよりも、その事象が発生したときに己が起こす行動の内容「振る舞い」によって、事象の影響が吉になることも凶になることも十分にあり、吉凶はどこまでいっても流動的であるということである。
世間一般的には、四柱推命の技法によって未来の変化(とその時期)が分かり、更にはその吉凶までが分かると喧伝されているが、
玄彗は、四柱推命によって人生の大変化の「時期」を推測することは出来るが、その「吉凶」を短絡的に判断することは出来ない、と考えている。
大きな変化は変化として発生するが、その変化が吉に転じるか凶に転じるかは、あくまでもその事象に対峙する個々人の「振る舞い」次第による、というのが玄彗のスタンスである。
なので、未来予知について、より重要な考え方は、ある変化を取り上げて、それを短絡的に吉や凶に結びつけることではなく、その変化を前にした時にいかに行動するか、その変化を吉に転じるような「振る舞い」が出来るかという、変化への柔軟性つまり「対応力」を予め身につけておくことである。
この変化に対する「対応力」を身につけるために最も有効な占術こそが、実は四柱推命ではなく「易経」なのである。
「易経」とは古代から現代にいたるまでの悠久の流れの中で、人類が見つけた、変化への最適解、変化への「対応力」を結集した叡智である。
よって、玄彗が提唱する「開運の2ステップ」では、四柱推命を用いて「変化の時期」を推測し、易経を用いて「変化への対応力」を磨き上げることをもって、到来する変化を踏み台にしながら、己の技量と才覚で幸運を掴みとることを目指すのである。