理由は単純です。宗教が時間と労力を費やして信者に提供するものを、〈占い〉が一瞬で提供してしまうからです。
宗教はその信条や教えを信者に提供して、信者に信じて貰う為に、色々な装置やシステムを用意しています。
その装置の中には、教典や神や仏も含まれます。
そのような多大な労力と仕掛けをもって、ようやく信者に、進むべき道や採るべき選択を提示し、信者の信頼を勝ち得て、ようやくその宗教が目指す世界へと信者を導くわけですが、
この一連の過程を、あっという間にすっ飛ばして、
迷える者に具体的な道を示し、信頼を獲得し、実際に道を歩ませる力を持つ存在が、〈占い〉なのです。
なので、教団がまだ生まれたばかりで信者の数が少ない時は、主に信者獲得の導線として、教団は積極的に〈占い〉の力を利用しようとしますが、
ある程度その教団自体が力を持つと、今度は〈占い〉を禁止するようになるのは、そのような理由からです。
なぜなら教典の有り難い教えよりも、占い師の告げる〈占い〉の暗示を信じられてしまったら、宗教の立つ瀬が無くなってしまうからです。
今回はそれだけ〈占い〉には人を魅了する力、パワーがあるというお話でした。